初めは1日1時間の業務委託だった
――どのような経緯でBOKURAに参画したんですか?
小倉:
一番下の子が幼稚園に入ったタイミングで、そろそろ社会復帰しようかなと思い、少しずつできる仕事を探し始めました。
広報をやっていた経験から、「まずSNSを勉強して、ゆくゆくまた広報の仕事に生かしていきたい」
という気持ちで仕事を探していたら、たまたまBOKURAの求人に出会ったんです。
ちょうどいいボリューム感だと思ったし 、
SNSも勉強できるしというかなり軽い気持ちで、1日1時間の業務委託から始めました。
――そもそも、なぜまた働きたいと思われたんですか?
小倉:
元々すごく仕事が好きだったんですが、
新卒から5年間働いた前職では、子育てをしながら同じ働き方を続けるのは難しいと思い、辞めてしまったんです。
当時は夫も働くことにあまり賛成ではなくて。
そこから10年間専業主婦をしていたけれど 、また働きたいとずっと思っていたので、
子育てがひと段落するタイミングで少しずつできる仕事を始めました。
――それから2年10ヶ月というスピードで執行役員になられているのは、
成果が評価されているのはもちろん、信頼感を得られている部分があると思うのですが、
そうしたステップアップができた理由はどのようなところにあると思いますか。
小倉:
自分を魅せるのは苦手なので、
会社に評価してもらったというよりはクライアントに評価をいただいたという実感はすごくあります。
やったこととしては、1日1時間の業務委託で始めた当初から「こういう施策はどうですか?」
といった企画提案をクライアントにどんどん出していたんですよ。
そうした動きを見て、入社2ヶ月で「正社員に」って言ってもらえたと思うんですね。
私としても会社にアピールするのが目的じゃないから、徹底的にクライアントと向き合った結果、
クライアントから「小倉さんじゃなきゃ」とか「小倉さんだから」と言ってもらえるようになって、
その結果として社内で評価してもらえたと思っています。
実際のところ私のように制限がある人ばかり増えてしまったら、今の会社のフェーズ的には困ってしまうと思います。
私だからお任せしているんだよと言われることもあると思うので、
私も「求められている以上のことをやる」を心掛けています。
勤務時間が短くてもその想定を超えるパフォーマンスを常に出したい自分がいる。
会社の優しさや配慮に甘えすぎないというのは自分の中で決めています。
働くことで夫婦関係や子どもとの関係性に思わぬ変化が
――働き始めたことで家族の変化などはありましたか?
小倉:
専業主婦をしていると私の思考も家の中のことだけになってしまって。
夫が抱えている仕事のストレスを本当の意味で共感することが難しかったんですよね。
それが私自身も仕事をすることによって「ああ、仕事ってそういえばこういうストレスがあったよな」
と実感ができるようになって、夫の苦労がすごく理解できました。
「今まで分かってあげられていなかったな」と思うこともあって、
その気持ちをもってして色々な仕事の相談をしてみたら、
なんだか少し同志のようになれたというか、お互いの仕事の話が深くできるようになっていって。
「こういうことあるよね」「こういう時どうしてる?」なんて会話ができるようになりました。
それから、夫婦間だけでなく子どもにとってもすごく良かったなと思っています。
“私対子ども”だけじゃなくて、“対会社”もあることによって、私の意識も分散されるし、
子どもから見た私も“お母さん”だけじゃなくて、仕事をしている姿も見せられる。
昔は家で両親が商売をしている家がポツポツあったけれど、今はあまりなくなっているじゃないですか。
それが今の形はこのリモートなのかなと。
仕事している姿を日常的に見てもらえるというか、
家でも社会を感じさせられるのは子どもにとっていい環境だなと思っています。
そう思える余裕ができたのは下の子が小学生になってからですけどね(笑)
時間が限られているからこそ、
限られた時間の中で最大限にパフォーマンスしようという意識になる
――BOKURAでクライアントワークを担うことになってハードルを感じることはありましたか?
小倉:
そうですね、初めはハードルだらけでした。
今ぐらいのレベルになるのに2年かかると言われていましたが、確かに2年かかったなと。(笑)
BOKURAのクライアントワークは、5社あったら5社ともやるべき施策内容が異なるので、
習得しなければいけないものが多種多様です。
「これだけできれば良い」わけではないところがすごく難しくて、
自分の能力が足らないがゆえに、満足度を高められなかったりすることを直接実感します。
答えのない無形商材が故の難しさでもあるんですが、同時にそこは面白さでもあり、やりがいでもあります。
――ご自身が働ける時間が人よりも限られている中で、多岐に渡るスキルが必要な状況はよりハードルが高いですよね?
小倉:
時間が限られているからこそ、常にタイムトライアルのような感覚を自分の中で持っています。
「限られた時間の中で最大限にパフォーマンスしよう」という意識になるので、それはむしろ良かったと思っています。
振り回されていた時期はもちろんありますが、マルチタスクはちょっと慣れていたのかもしれません。
子ども3人を育てるだけでも、日々マルチタスクが発生しているので
「子育てのマルチタスクが仕事にも生きた」みたいな感覚はあります。
毎日ご飯作りながらMTG動画を確認したり、お風呂入りながら企画考えたりとかも常にしてるかな。
バランスの取り方に正解はないんだろうなと思いながら常にやっている
――仕事と家庭とのバランスの取り方のコツなどはありますか?
小倉:
働きはじめてからずっとバランスを考えてはいるけれど、たぶん正解はないんだろうなと思っていて。
結局いつも「もう少し家庭の時間を取りたいな」と思うくらいのバランスをキープしている感じがしています。
自分にとっての壁を一歩超えたときに、やっと「ちょっと成長したかも」って実感できるじゃないですか。
「このぐらいだったら大丈夫」という状況だったら、あまり成長しないと思うんですよ。
自分を追い込むのが私には大事だと思っていて。
そうでないと、すぐ自堕落な方へ進んじゃうので、
少し追われているくらいの今がベストバランスだなというところに落ち着いています。
とはいえ、一般的にはそのギリギリの業務バランスを保つのは難しいと思うんです。
自分にとっての挑戦のラインを引きたいけれど
「そうは言っていられない」感じになってしまうのが一般的だと思いますが、そこをBOKURAは調整してくれてきたんですね。
MTGは私の生活状況を理解した上で組んでくれたり、働く時間を増やしていきたいタイミングでヒアリングしてくれたり。
そうしたバランスを取りやすい就業環境であることにとても感謝しています。
――最後に、今後社会復帰したいと思っている人やライフイベントを考えるタイミングで不安に思いながら働いている人に向けて、メッセージはありますか?
小倉:
仕事と家庭との両立で不安に思うのって、時間が限られることが要因だと思うんですよ。
でも、その限られた時間にどう全力を尽くすかを繰り返していけば、必ずその幅は広がるということを私は実感したので、
常にそこに挑戦し続ければ良いのかなと思っています。
育児と一言で言ってもその時々によって状況は違ってくるので、常に調整です。
私自身これからも調整していく必要がありますが、
「今できる全力を尽くす」というスタンスは変わらないな、とやってみて改めて思います。
――働く時間ってどうしても少なくなっちゃうし、たぶんそれしか見えていないから
どうしても「働く時間が少ない」ということに不安を抱いてしまうけれど、
時間が変わっても自分で意識すべきことは変わらないということですね。
小倉:
そうですね。
「これだけしか時間がない」と思ってしまうものだけど、実は別にそこはそんなに重要じゃない。
「その中で自分に何ができるか」のクオリティをどんどん上げていけば幅は自然と広がっていくと今は思っています。